創立100年の里おこしベンチャー企業 小湊鐵道株式会社 採用サイト

社員紹介

INTERVIEW

小湊鐵道を良くする。盛り上げる。一人じゃなく、みんなで。

前職は外食業界で、新店の立ち上げなどの責任あるポジションを担ってきた深山だが、そんな経験が「小湊鐵道での仕事に活きている」という。いわゆる異業種からの転職で、執行役員まで上りつめることができたのはなぜか。そして執行役員というポジションで、これからの小湊鐵道をどう発展させていきたいのか。率直なところを聞かせてもらった。

深山宏樹

深山宏樹

小湊鐵道株式会社
執行役員 バス事業部門担当

「前職での経験が今に活きている」と感じることは多い。

新卒で入社した会社では、施工管理の仕事をされていたと伺いました。

そうなんです。専門学校を卒業して、現場監督をやっていました。だけど、わりとすぐに「自分には合っていない」と感じて退職し、外食業界へと転職しました。

見切りが早い(笑)。外食業界ではどんなお仕事を?

最初は店舗スタッフからスタートして、店長になって、新店の立ち上げも経験しましたし、赤字店舗を立て直す仕事なども任せていただきました。

順調に出世街道を進んでいたのですね。それがなぜ、転職を考えるようになったのでしょう。

正直な話をすると、このまま50歳、60歳になった時に、同じ仕事を続けられるだろうかと不安になったというところでしょうか。そんな自分に合った仕事って何だろうと考えて、ぼんやりと「箱」で働くのがいいのかなと思いまして。

「箱」で働くとは?

なんというか「お店」とか「営業所」とか。自分がリーダーになって、メンバーと楽しく働けているというイメージに憧れを感じました。自分の「箱」を持って、自分の力で「箱の中」をみんなの楽しい場所にする、みたいな。ハローワークで求人票を調べていたら小湊鐵道を発見し、募集職種が「営業所長候補」と記載されていて。

確かに「営業所」も「箱」と言える気がしますね。とは言え、全く異なる業種ということで、戸惑いはありませんでしたか。

そりゃあもう、戸惑いばかりでしたよ(笑)。私は地元が市原市なので、小湊鐵道の社名は知っていました。ただ、実際に入社してみて、実はバス事業のウエイトが大きいということを初めて知りましたし、初めての仕事ばかりですから、最初の3年くらいは訳が分からない状態でした。入社当初はバスの運行管理者としての業務に携わりましたが、わからないことがあったら、躊躇なく質問するようにしていましたね。振り返ってみると、前職で培ったコミュニケーション能力があったから、何でも質問できたのかもしれません。

「前職で培ったコミュニケーション能力」とは、どんなものだったのでしょう。

外食業界でしたので、お店でお客様と直接コミュニケーションを取る機会は多かったですし、クレームをいただいて、それに対応することも少なくありませんでした。それにスタッフとのコミュニケーションは、店舗運営を円滑にするためには不可欠でしたしね。

言われてみると、外食業界ではコミュニケーション能力は必須のような気がしてきます。

店長の仕事は、スタッフの人たちに気持ちよく働いてもらえる環境を整えること。そうしないとスタッフは辞めたり、休んじゃったりしますよね。そうしたら、結果として自分がしんどくなっちゃう。そんなスタンスが身についていたからか、小湊鐵道ではいろんな部署を経験させてもらったのですが、どこの部署でも「周りの人が気持ちよく、楽しく働けるようにしよう」とするものですから、新しい部署でも馴染むのに時間はかかりませんでした。

「いろんな部署」とおっしゃいましたが、小湊鐵道への入社後は異動も多かったのでしょうか。

そうですね。他の人に比べて、異動は多い方だと思います。でも前職では、あっちのお店に行ったりこっちのお店に行ったりと、異動ばかりでしたので、そんなに苦にはなりませんでした。

話をお聞きしていると、メンタルが強めなのかなと感じます。だから執行役員にもなられたのかなと(笑)。

どうなんでしょうね(笑)。ただただ、いろんな部署を経験して、たくさんの社員の方々と接してきただけで「まだまだ勉強が足りない」と感じることはしょっちゅうです。運転士の方の中にはベテランと呼ばれる方も多くおられるし、以前と比べれば現場から離れているので、みなさんが「今」何を考え、感じているかを知るには、前よりも積極的にコミュニケーションを取らないといけないと思っています。

「屋台骨」を支えるプレッシャーはあれど、一人じゃない。

改めてお聞きしますが、執行役員としてどんなお仕事をされておられるのでしょう。

一言で言えば、バス事業部門全体の管理ということになります。バス事業は小湊鐵道の「屋台骨」になっていますから、所帯も大きい。乗合バスの3営業所と貸切バスの4営業所、グループ企業の九十九里鐵道のバス部門、整備課、トラベルサービス課、それに路線活性化室と、部署もいろいろあります。これだけ所帯が大きいと、日々いろいろな問題が起きてきます。

「いろいろな問題」というと、どんな問題があるのでしょう。

本当にいろいろあります。例えば、日々の安全な運行のために細かな準備や取り組みを行う必要があるわけですが、それらを徹底できていないところがあれば、なぜなのかを突き詰めて改善する、とか。あるいはお客様からいただいたクレームがあれば、それに対応する、とか。

そうやってお聞きすると、確かに細かい問題が日々、出てきそうな印象を受けます。

まあ、なかなかいっぱいありますよ(笑)。だけど、それを一人で解決することなんてできるわけがないので、とにかく各部門のいろんな役割を担う人たちの協力を仰ぎながら、一つひとつ丁寧に解決していくイメージですね。

そこでもまた、前職で鍛え上げたコミュニケーション能力が本領発揮しそうですね。

それはそうですね。「会社の屋台骨となる主要事業部門を担当する執行役員は、プレッシャーが大きいのでは」と質問されることはよくあります。プレッシャーがないとか、小さいとか言ったら嘘になるけれど、部門を構成するみんなとコミュニケーションを取り合って、協力し合って事業を推進しているイメージなので、決して一人で背負っている感じはありません。みんなで取り組んだことの結果に責任は持ちますが、自分一人で何かを決めているという感覚はありません。

「屋台骨の部門」には相応に多くの人たちがいると思いますが、たくさんの人とうまくコミュニケーションを取るための秘訣のようなものはあるのでしょうか。

秘訣かどうかはわかりませんが、軸として「自分はこう思う」「自分はこうしたい」というものを、ブレさせず持つように心がけています。この軸の部分をみなさんにきちんと伝えて、その実践方法はみなさんで考えていただき、行動してもらう。みなさんの行動をフォローしたり、わからないことにはアドバイスしたりしながら、一人ひとりに合ったコミュニケーションの方法を模索します。

そうしていると、小湊鐵道で活躍できる人の素養も見えてきそうですね。

私見ですが、周りとの協調性をもった人が活躍していることが多いように思います。能力があるからと一人で突き進んじゃうのではなく、役職や立場に関係なく、誰に対してもリスペクトを持ちながら接することができる人。命令や押しつけにならず、会社の方向性や目指すものを、和を持ってみんなに伝えていけるような人は、自然と役職も上がっていきますね。

「新しいことを始めよう」という空気が社内に浸透している。

活躍できる人の素養として「バスが好き」は、あまり関係ありませんか。

うーん。「バスが好き」でなくてはいけないことはないと思いますが「バスが好き」で「バスの運行に関する仕事が好き」になってもらえたらいいのではないでしょうか。例えば小湊鐵道で運行しているバスは全て、どれくらいのお客様にご乗車いただけているか、週ごとに確認できるようになっているので、それらの数値をもとに「なぜ、たくさんご乗車いただけているのか」「なぜ、ご乗車いただけていないのか」「ご乗車いただけていないなら、ご乗車いただくにはどうしたらいいのか」などを考え分析し、次の施策を打ち出す、といったプロセスを楽しめたら、活躍できるのではないでしょうか。

「バスが好き」だと、そんな分析も面白くなりそうですよね。

それと当たり前のことではありますが、きちんと挨拶ができることは大事な素養だと思います。バスの運転士の方が、乗車されるお客様に聞こえないくらいの小さな声でしか挨拶しなかったら、お客様からクレームをいただくこともなくはありません。運転士の方は年齢の幅もあるし、いろんな出自の方がおられますので、そんな「お客様に聞こえるように挨拶する」ことを徹底するにも、こちら側からの丁寧なコミュニケーションが必要になりますけどね。

深山さんのポジションは細やかな気遣いが大切で、大変そうです。

それはそうだと思いますが、目に見える成果が出た時は大きなやりがいと達成感を感じられますよ。

「目に見える成果」とは、例えばどんなものでしょう。

新しいバス路線を開設して、たくさんのお客様にご乗車いただけたり、その結果、黒字路線になったりした時は、やはり達成感がありますよね。あとはライブやフェスといったイベントで観客の輸送をお任せいただいて、無事に輸送が完了した時などは、ホッとすると同時に大きな達成感が得られます。

へええ、ライブやフェスの輸送みたいなお仕事もあるんですね。

そうなんですよ。小湊鐵道の観光部門では、ライブやフェスにまつわるイベントの企画なども手がけたりしています。あとはゴルフのツアーで選手の送迎をお任せいただくこともあって、そんな時にはスター選手を間近に見られたりして、ワクワクしちゃいます(笑)。

お仕事を通じて、ミーハーな気持ちも満たされる(笑)。

小湊鐵道には鉄道もあれば観光もあって、それぞれのサービスコンテンツを組み合わせればいろんな企画を生み出すことができます。そんな企画を考えたり、形にしたりするのが面白いと感じられるような人も、きっと小湊鐵道で働くことが楽しくなるのではないでしょうか。

例えばそんな企画をアイデアとして出して、聞いてもらえる土壌はあるのでしょうか。

ありますね。晋平社長と卓生副社長のツートップ体制になってから、会社が大きく変わった印象を持っています。積極的なDX化をはじめ、新しいことを始めようという空気ができてきたと思います。それに晋平社長と卓生副社長は、一般の社員とも分け隔てなくコミュニケーションを取ってくれる。バスは歴史の古い業界ではありますし、新しいことを始めるには時間がかかったりする印象もあるでしょうが、それを踏まえて、未来に向けて前進していこうという雰囲気が社内には浸透しています。

「2024年問題」にも、前向きな姿勢で対応策を考えられている。

未来に向けて前進するために、今の課題と感じていることはありますか。

運輸や物流の業界では「2024年問題」と言われていますが、小湊鐵道も近い将来、人手不足が顕著になるだろうと予測されています。2024年から適用が予定されている「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」に対応せねばならないのですが、業界各社は「どうやって対応しようか」と右往左往しているのが現状です。小湊鉄道でも「どうしようか」と議論を進めていますが、その議論は決して後ろ向きなものではないと感じています。なんだったら前向きに議論を進め、業界に先駆けて「2024年問題」に対応するフレームを私たちがつくれたら、自ずと未来は明るくなると思っています。

その対応策の一つが「フレックス運転士」の募集ですか。

そうですね。私たちもやったことがないし、業界でも聞いたことのない取り組みですから、正直うまくいくかどうかはわかりません。でも、いろんなことをやってみないと、成功するものがなんなのかも分かりませんからね。

実際のところ、現状は人手が足りないという状況なのでしょうか。

観光バスの運行や、大規模な生産施設などを持つ企業の送迎バスの運行など、新たにお話をいただいている案件は増える一方で、それらにどうやって対応するか苦慮している、というのが正直な現状です。とにかく人手が足りない。でも単純に今ある仕事をこなすのに人手が足りないのではなく、お客様から期待を寄せられていて、それに応えるために人材を強化したいということ。これから小湊鐵道に入社する人にとっては、事業規模が大きくなっていくプロセスを体験できるいいタイミングではないかと思います。

なんだか、新しいことがいろいろと動いていて、活気を感じられます。

晋平社長と卓生副社長をはじめ、誰もがコミュニケーションを大切にしている印象があります。情報の伝達が早いから、みんなが同じ方向に向いて会社をよくしていこうとしている実感もあります。ツートップから「給与や待遇を改善させていこう」という言葉も聞かれ、実際に改善に向けた取り組みも進められています。もともと私は前職での経験もあって、ストレス耐性がある方だと自分でも思いますが(笑)、忙しいとか大変だとか、そんなシチュエーションに置かれていても「新しいことをやろう」「会社をよくしよう」という気持ちで向き合えているので、むしろやりがいを感じています。こんな環境のもと、これから入社してくる仲間たちが活躍して、どんどん責任あるポジションを任されていく様子を見守っていきたいと心から願っています。

今日は長い時間、どうもありがとうございました。

(インタビュアー)
高藤悠子 プロビティ・グローバルサーチ株式会社 代表取締役
慶大卒。新卒でメーカーへ入社後、人材紹介会社へ転職。外資・IT大手などを担当し、若手からエグゼクティブまで幅広い人材の紹介業務に従事。その後、JACリクルートメントのタイ現地法人へ転職し、執行役員としてスタートアップに対応。2012年の帰国を機にプロビティ・グローバルサーチを設立、現職に就任。現在に至る。